高配当ETFで配当生活するためにはいくら必要か
ETFの分配金は文字通りの不労所得で、それだけで生活することは多くの人の夢でもあります。
ETFで配当生活するためには、いくらの原資産が必要でしょうか。
ここでは、仮に月10万、年間120万円でセミリタイアを目指すとして考えます。
SPYDならいくら必要?
SPYDの現在の利回りは4.3%程度なので、税引き後の利回りは3.0%です。
この利回りであれば、4000万円あれば年間の配当金は120万を超えて月10万円の配当生活は実現可能です。
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PFFならいくら必要?
PFFの現在の利回りは5.6%程度なので、税引き後の利回りは3.9%です。
この利回りであれば、3100万円あれば年間の配当金は120万を超えて月10万円の配当生活は実現可能です。
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VYMならいくら必要?
VYMの現在の利回りは3.1%程度なので、税引き後の利回りは2.2%です。
この利回りなら、年間の配当金120万円を超えるには5500万円必要です。
ちょっと現実的ではなく、一見するとSPYDやPFFのほうが魅力を感じます。
しかし、今後の市場の成長を信じるのであれば将来的な利回りが上がることも期待できます。
VYMの10年前の株価は半分以下だった
VYMの株価は現在91ドルですが、10年前の2009年12月末の株価38ドルでした。(リーマンショック時には25ドルまで下がりました)
仮に38ドルで購入した場合の現在の利回りは税引後5.16%となり、利回りは2.5倍ほどになっています。
5.16%の利回りなら、2300万円あれば年間の配当金120万円を超えます。
2009年に2300万円VYMを買っていたら2019年に配当生活が可能だった
2009年はリーマンショックがあり、かなり安値で買えたタイミングでありました。
38ドルでVYMを2300万円分買っていたら2019年には年間の配当金が120万円を超え、さらに5500万円の金融資産を築くことが出来ていたわけですね。
10年後の利回りに注目すると増配率は大切
10年後の株価が2.5倍になっているとは考えにくいかもしれませんが、今よりはきっと高くなっていることでしょう。
利回りも同様に、今よりは高くなっていると考えても良いのではないでしょうか。
過去の分配金に注目し、増配となっているETFを選ぶことは夢のある戦略ですね。
VYMと同様に米国高配当株ETFであるHDVも利回りは向上していますが、VYMほどの伸びはありません。
分配月の集中問題
VYMやHDV、SOYDは四半期配当なので3,6,9,12月に分配金が支払われます。
配当生活を目指すのであれば、毎月のインカムゲインがほしいところですので、それ以外の月を埋める必要性も考えなければいけません。
PFFは毎月分配なので、その点は魅力的です。
国内ETFはどうか
海外ETFは外国税がかかるため税引き後の残りは7割になってしまうのに対し、国内ETFであれば税引き後でも8割残ります。
野村株主還元70あたりは将来的な利回りの向上率は良さそうに見えますし、検討の余地はありそうです。
今すぐ配当生活するのであれば3000~5500万必要だが10年後を目指すなら2300万円で可能かも
今すぐ配当生活を始めるのであれば、もっとも利回りの良いPFFで3000万、利回りの落ちるVYMなら5500万円必要です。
しかし、将来の増配や株価の成長を信じて10年後の配当生活を目指すのであれば、2300万円でも可能かもしれません。
また、その10年間で追加投資をすることで、配当生活はより現実のものとなります。
目先の利回りだけでなく将来的な利回りも考慮しよう
高配当株式ETFのSPYDは利回りの高さから非常に人気ですが、将来的な分配金の増加はあまり見込めません。
それに対してVYMやHDVは株価も上昇しますのでそれに合わせて過去の株価からの利回りは向上します。
5年後などの短期的な目線であれば、いまの利回りが高いSPYDが魅力ですが、10年、20年先を見越した投資となると、しっかり株価の成長が見込まれるVYMやHDVのほうが良いのかもしれません。
NISAや積立NISA、配当控除を考慮すればさらに少額でも
非課税制度であるNISAや積立NISAを利用すれば税金はかかりません。
また、通常の口座で税がかかったとしても配当控除を利用すればある程度取り戻すことが可能です。
2000万円以下でもセミリタイア可能と考えると喜ばしい限りです。
個人的にはSPYDやPFFのほうが魅力的
私は10年や20年先ではなく、数年先のセミリタイアを目指していますので、現状の利回りを優先して投資を行っています。
子供の教育資金用のジュニアNISAなんかの制度を利用するのであれば、相性が良さそうなので選択するかもしれません。